山本想太郎(やまもと そうたろう)

1966年東京生まれ。早稲田大学理工学研究科(建築専攻)修士課程 修了後、坂倉建築研究所に勤務。2003年建築家ユニット、プロスペクターを共同設立、2004年山本想太郎設計アトリエ設立。現在、東洋大学非常勤講師。INAX住宅産業フォーラム講師。『DETAIL JAPAN』誌技術翻訳総監修。主な作品に「水戸N邸」「国分寺の家」「板橋のリノベーション」「汐留プラザビル」など。主な著作に『テクトニック・カルチャー』(共訳、2002年、TOTO出版)、『現代住居コンセプション』(共編著、2005年、INAX出版)など
WEBサイト:http://park16.wakwak.com/~prospector/

12 03 2007

ディーテイル・ノート――壁面緑化の魅力

Deteil Japan 2007年12月号に掲載されたアムステルダムのレジャー複合施設の壁面に、かなり大規模なパトリック・ブラン氏による壁面緑化が施されています。ブラン氏の壁面緑化はパリのケ・ブランリ美術館や日本では金沢21世紀美術館などで見られます。最近では、表参道GYREビルの入口に設置され、ビルのオープニングにはブラン氏も来日されていたようです。氏のすばらしい実績はここでは省略させていただき、その壁面緑化の技術的な側面の特徴を見てみましょう。
・基本構成は金属フレーム、PVCシート、ポリアミド製フェルト
・その設置される環境に応じて、植物が選択される
・水遣りは、上部より、栄養物を含んだ水道水を与える
・室内などの場合、特殊照明で日射を補う
(DJ 2007-12、P68参照)
特徴として画期的なのは土を用いていないことで、そのことが持つ意味は、結果としてそうなったように、建築との共存が容易になったということです。まず植物壁自体の重量がとても軽くでき(1m2あたり30kg以下)、メンテナンスも容易になり、また土に起因する虫などの問題も(ゼロではないにせよ)軽減されます。この建築空間との適合性の良さは、その延長上に完全に全面緑化された室内空間などを夢想させてくれます。
しかし、エコロジカルな教訓や、人間にとっての植物の意味といったことを、直接的にブラン氏の作品に結びつけることには違和感があります。アートでもなく、建築でもなく、ただ、植物の壁であるという存在感こそが最大の魅力だと思うのです。

ところで東京在住の方は上述のGYREより、六本木の元ヴェルファーレがあった敷地の前に建っているビルの壁面で大きな緑の壁を見ることができます。公式HPにも出ていなくて確認できないのですが、間違いなくブラン氏の作品だと思うのですが・・・。

R0015573ss.jpg

14:46 | コメント(0)