
1966年東京生まれ。早稲田大学理工学研究科(建築専攻)修士課程 修了後、坂倉建築研究所に勤務。2003年建築家ユニット、プロスペクターを共同設立、2004年山本想太郎設計アトリエ設立。現在、東洋大学非常勤講師。INAX住宅産業フォーラム講師。『DETAIL JAPAN』誌技術翻訳総監修。主な作品に「水戸N邸」「国分寺の家」「板橋のリノベーション」「汐留プラザビル」など。主な著作に『テクトニック・カルチャー』(共訳、2002年、TOTO出版)、『現代住居コンセプション』(共編著、2005年、INAX出版)など
WEBサイト:http://park16.wakwak.com/~prospector/
最新号のディーテイル・ジャパン(2007年2月号)は木造建築特集であることもあり、木製の建具による開口部が多いですね。「断熱(3)」のときにも書きましたが、熱性能にシビアな欧州建築において、開口部はやはり断熱の弱点となる箇所です。木はアルミや鉄に比べると熱伝達率がすごく低い材料ですので、サッシ自体がヒートブリッジになる心配は少ないのですが、アルミサッシほどの精度は出ないので、こんどは気密性が問題になってきます。サッシ形状のそのあたりの工夫も意識すると、より詳細図が楽しめます。また製品としては、それぞれの長所を生かしたアルミと木の複合サッシといったものもあります。特に北欧製のものが多く、日本でもそれらを輸入した商品を見かけることがあります。日本では断熱性のためというよりは、デザインとして木の見えがかりとしたいために用いられていることも多いようです。このような商品、リサイクルなどの視点では扱いにくそうですが、そこは環境先進国の北欧ですからうまく工夫されているのかもしれません。
ところで北欧で、そもそも何故ガラス開口の大きいデザインがさかんなのでしょうか。もっと開口部を減らせばよいのに、と思われるかもしれません。しかし冬季に日照が少なく室内で多くの時間を過ごす人々にとっては、外にいるかのように外光が入りながら暖かいという状態が、ひとつのユートピアのように感じられるのではないでしょうか。私の印象では、日本でも、寒冷地ほどガラス張りアトリウムのようなものが喜ばれる傾向があるような気がします。モダニズム建築の登場に一番心が躍ったのは、じつは北国の人々かもしれません。そう考えると、ガラス張り建築が北欧から発信され続けるのもわかります。
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