山本想太郎(やまもと そうたろう)

1966年東京生まれ。早稲田大学理工学研究科(建築専攻)修士課程 修了後、坂倉建築研究所に勤務。2003年建築家ユニット、プロスペクターを共同設立、2004年山本想太郎設計アトリエ設立。現在、東洋大学非常勤講師。INAX住宅産業フォーラム講師。『DETAIL JAPAN』誌技術翻訳総監修。主な作品に「水戸N邸」「国分寺の家」「板橋のリノベーション」「汐留プラザビル」など。主な著作に『テクトニック・カルチャー』(共訳、2002年、TOTO出版)、『現代住居コンセプション』(共編著、2005年、INAX出版)など
WEBサイト:http://park16.wakwak.com/~prospector/

11 04 2006

ディーテイル・ノート――防水

日本は、とても雨の多い国です。日本の主要都市の年間降水量をみると、地域にもよりますがほとんどの欧米の都市を上回ります。雨か雪かなど条件は異なりますが、概して日本の建築は多くの水に曝されているといえるでしょう。これらは屋根や防水面、開口部廻りなどの構法の差となって表れてきます。それらを見てみましょう。

ディーテイル誌に掲載されているような海外の詳細図においては、防水ラインはとてもわかりやすいですね。表記として、黒白の縞線で表記されています。それらを見てみると、日本の一般的な考え方と異なる点にすぐ気づかれると思います。この黒白ラインが、ほとんどの屋根面、そして場合によっては壁面でも2重に施されているのです。これは雨水に対する防水ラインが2重にあるということではなく、内部結露を防止するための措置です。したがって、2つめの防水(防湿)面は断熱材の内側に施されます。このことにより断熱性能も向上します。やはり日本より寒冷な地域が多く、積雪も多いため、結露・断熱対策が標準的に構法に組み込まれているのです。

また床仕上げ部分(多くの場合、床暖房を埋設した仕上げモルタル部分+硬質断熱フォーム)と躯体との間にも「絶縁層(separating layer)」という黒白ラインが入っています。これも床暖房埋設を前提とした標準構法です。

この防水面の性能をスペック的に比較するのは難しいのですが、多くがメンブレイン(シート)系の材料であること、その端部の収め方、下地や保護層の強度などを見ると、概ね、日本よりはシビアに考えられていないように見受けられます。ただしこれは地震による下地躯体の挙動があるかどうかでも大きく変わってきますので、一概には言えないかもしれません。しかしやはり防水に対するシビアさは降水量に比例しているような気がします。

11:53

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