福田Noennig陽子(ふくだ ネニッグ ようこ)

1971年、神奈川県生まれ。1999年、早稲田大学修士課程(建築学専攻)修了。1999~2001年、日本女子大学住居学科専任助手、2004年同大学博士課程修了。学術博士。2005年4月よりドイツのドレスデン在住。活動範囲は、建築およびその周辺の取材・執筆、翻訳、ピアノ伴奏
WEBアドレス::http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/

9 20 2008

いつまでも工事中

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ヨーロッパ旅行をしてなんとなく目につくものであまり日本ではお目にかかれないものは、「もしかして工事がストップしている?」と思わせる建築途中の建物ではないだろうか。様式の違う塔がみられるゴシックの教会も、完成までに数百年を費やした教会も、いずれも金欠が原因で工事がストップしていたのだからさして珍しいわけではないらしい。経済的理由ではなく工事が長々と続いている例はサグラダ・ファミリアだけではないだろうか。
ドレスデンに住んでみると、これら「途中」あるいは「リノベ途中」の建物はやはり目立つ。第二次世界大戦時の爆撃によって長らく廃墟の山だったようだが、私が住み始めた2005年にはすでにそれらはほぼゼロに近づいていた。それでも観光の中心地区や主要な広場や高級住宅街に、ポツポツと大型の空き家が見られたし、それらは今もそのままだったりする。買い手がついたのだろうか、外壁に広告が張り出されるとリノベーション工事がはじまり、やがて完成して翌日には引越風景がみられる。
我が家の近所にはバロック地区と名づけられたいわゆる静かな高級住宅街がある。「ケチなドイツ人でも買う人がいるのかな」と思わせるような高級なブティックやギャラリーが並ぶ。余談だが、1年以上前にベルリンに行く途中にドレスデンに立ち寄ったブラッド・ピットがあまりの寒さにジャケットを買ったのがここのどこかの店らしい。
この一角に、廃墟というのか空き家がある。今でもところどころ線路の跡がみられるのだが、戦前にはこの前を路面電車が通っており、この建物の規模からしても活気があったのではないだろうか。リノベーションに着手したであろう証拠に足場が掛けられており、中のゴミをそとに搬出するためのパイプまで取り付けられている。工事会社か不動産屋の表示がされているが、工事は行われていない。「ホテルに改装するらしい」というニュースを以前聞いたのだが、一向に動きがない。この足場も古くなり、建物と一体化している。

18:03 | コメント(0)