
1971年、神奈川県生まれ。1999年、早稲田大学修士課程(建築学専攻)修了。1999~2001年、日本女子大学住居学科専任助手、2004年同大学博士課程修了。学術博士。2005年4月よりドイツのドレスデン在住。活動範囲は、建築およびその周辺の取材・執筆、翻訳、ピアノ伴奏
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エルベ川の北側はノイシュタット(新市街)と呼ばれているが、1945年の大空襲は旧市街に集中したために被害を免れた建物が多い。しかし、歴史地区のど真ん中から伸びているアウグスト橋の延長にあるハウプト通り沿いは被害を受け、社会主義時代に典型的なプラッテンバウというプレハブ建築がビシっと建てられた。
そのほとんどはリノベーションされ、設備が新しくなり、外観も内装も小ぎれいにさっぱりとモダンに生まれ変わった。
写真の左側のアパートはバルコニーの外側にガラスの引き戸が取り付けられている。二重サッシではないので「室内」のようには機能しないが、人々は縁側のような感覚で活用している。クリスマス時期にはこの通りはクリスマスマーケットが出てにぎわうので各住戸のバルコニーには趣向を凝らしたデコレーションが競い合い、気候のいい時期にはテーブルを出してお茶を楽しんだり、夏には開け放して自宅にて「戸外生活」をしたり。
しかし、写真の右側のアパート1棟だけ不思議と取り残されている。バルコニーの柵は取り外され、外壁は塗装が剥げ落ち、哀れな姿この上ない。以前はリノベーションの予告が貼り出されており、建築家リベスキンドの名前があった。しかしいつまでたっても工事は始まらず、そのうち予告も取り外されて今に至っている。
その理由は分からない。リノベされれば100%入居は確実な場所なのだが。