福田Noennig陽子(ふくだ ネニッグ ようこ)

1971年、神奈川県生まれ。1999年、早稲田大学修士課程(建築学専攻)修了。1999~2001年、日本女子大学住居学科専任助手、2004年同大学博士課程修了。学術博士。2005年4月よりドイツのドレスデン在住。活動範囲は、建築およびその周辺の取材・執筆、翻訳、ピアノ伴奏
WEBアドレス::http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/

5 06 2008

新市街のグラフィック

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ドレスデンはエルベ川を挟んで南が旧市街でゼンパーオペラやツヴィンガー宮殿など歴史的地区になっており、川の北が新市街(ノイシュタット)と呼ばれている。その中でも、私が「ドレスデンのソーホー」と勝手に名づけた地区は活気があり、音楽家やクリエイティブ関係者や学生が多く住み、パンクありヒッピーあり。さすがに女の子がビール瓶片手に飲みながら歩くのを最初に見た時には我が目を疑い、缶を差し出して「50セントくれ!」と寄ってくるパンクの兄ちゃんに恐れをなしたが、それにも慣れるとナチュラルに楽しめる。当然のことながら壁や入口の扉への落書きは他の地区に比べて甚だしく、荒れているのと活気があるのとが紙一重的に混在している。
違法な落書きが「グラフィティ」として市民権を得て今ではアートになってしまったことは、アニメファンがお互いを「お宅」と呼び合うことから始まって「オタク」が定義され、今や「オタクカルチャー」として世界的に認知されてパリで展覧会まで開催されたそのプロフィールを思い出させる。そういえば、「X-COLOR/グラフィティin Japan」と題する展覧会が水戸芸術館で開催されていた。
写真にあるグラフィティは一際目を引くもので新市街のガイドブックの表紙にもなっており、このグラフィティを頂点に様々なものがこの地区には点在している。パリの街でよく見かけるイタズラチックなだまし絵的なものもたまに見かけるが、それよりも迫力あるグラフィティが主流。それによって壁そのものが雄弁となり、この地区全体の雰囲気をエネルギッシュなものにしている。ビールをコップに注いで、なんてことはまどろっこしくてやってられない。やはりビール瓶片手にグビっと飲みたい。

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