
1956年、鹿児島県生まれ。京都工芸繊維大学卒業後、1990年、有馬裕之+Urban Fourthを設立。 主な作品に 「MA」「太宰府の住宅」「introspective」「ab」「second plate」「studio D」「M/異化された場」。 現在、コンセプトプログラム「earth lounge」を進行させている。
COSMIC WONDER の前田征紀が10月2日に秋のコレクションを発表した。
パリの13 rue Chapon 75003 で show review が行なわれた。
先日貰った招待状には、封筒の中に丸い円盤/アドレスを書いて折り曲げられたグラフィックレターの二つがあるだけでいつものように説明も何もない。
一抹の望みを持って、参加の為の渡欧を企てていたが、流れは正反対になり、残念ながら国内でsweeperのように動いている。

前田征紀の心象風景をそのまま表現したようなその服群を私は心から愛している。
彼にかかると日常的なモノやカタチが、ただの「服」では無く、ドキュメント化された特別なコレクション品のように立ち上がって来る。
そのニュアンスを感じることが重要だ。
「誰でも参加できるが、皆では参加できない」…そのような服群がここにある。
心斎橋と青山のショップスタジオをデザインした時に、COSMIC WONDERの製作現場を目撃した。
全て手作業でチーム内で作っていたが、そのスタジオはまさに不思議な「ドキュメントルーム」であった。
彼の服には、ドラマや映画のシーンに繋がる非日常さを日常の中で感じることが可能なのではという期待がある。
空間として私は「背景」のみを作ろうと思っていた。彼の「純粋」が壊れずそのまま「素」で存在することが重要だったからだ。
ファッションはすでに「ブランド」という消費経済の一方通行の「記号」から離れたところに活動の場を移し始めている。「記号」を付けることから「今」を表現することへ…。
語るべきは極めて修辞的な「詩」なのだろうが、今行なおうとしている作為はそこにかろうじて引っかかっている。
さてこれからCOSMIC WONDERはどこに行こうとしているのか?
「誰でも参加できるが、皆では参加できない」…その果てに地平が見えれば…。
私もNOMADとして漂って行こう。

3:03 PM