DJ内野

本名、内野正樹(うちの まさき)。1960年静岡県生まれ。82年に編集者となって以来、雑誌一筋。88年より建築の世界に入る。05年4月、DETAIL JAPANを創刊。現在、同誌編集・発行人

Sep 13 2007

校了直前の心身を癒す音楽

今日は、遊佐未森の『roka』を聴きながら出社。このアルバムは10年以上前に発表されたものだが、一時、聴き込みすぎて飽きてしまい、逆にぱったりと聴かなくなりずっと棚で長い間眠っていたものだ。

いわゆる「癒し系」の音楽だが、ほとんどの「癒し系」がおしつけがましいというかあざといというか、要するに「くさくて」ほとんど聴く気になれないのだが、このアルバムはそうしたくさみがあまり感じられない。

まだiPodに音楽をせっせと入れている途中だが(でもやっと12GB)、思い出してiPodで聴いてみることにしたのである。これはわたしが愛用しているイヤホン、ER‐4Sとの相性がかなりいい。ER‐4Sは、ロックよりはクラシックやジャズを聴くほうに適しているが、バックのアコースティックな響きに、透明感のある伸びる歌声がかぶってくる遊佐の曲にはピッタリと言える。

ある程度のミュージシャンならば、自らの音楽世界を十全に出しきったアルバムというのがある。つまり、そのミュージシャンが行ける最高地点まで達して、アルバムの最初から最後まで付け入る隙のまったくない、完成された、というよりは「達成した」という印象をより強くもたせる作品。『roka』はたぶん、遊佐のそんなアルバムである。(ちなみに、一回「達成」してしまったら、そのミュージシャンは路線を変更して別のところへと向かうか、「よりテンションの低い自己反復」を行うしかないだろう)

女性らしいといったらいいか、日常の一瞬一瞬をいとおしみながら生きる感覚を傍らにしっかりと置きながら、同時にスケールの大きさも実現している稀有なアルバムである(ちょっと褒めすぎかな~)。

10:28 AM

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